絵本を選ぶポイント
絵本は何冊、お持ちですか?
子育て中のママにとって、お子さまに毎日数冊の絵本を読んであげることは簡単ではありません。 なかなか根気のいる作業だと思います。
でも『次はどうなるの?』『こうなるんだよね!』と目をキラキラ輝かせてお話をせがむ子どもを見ると 絵本の持つ素晴らしさを感じます。
赤ちゃんの頃から、少しの時間でも絵本にふれる生活をしていると、『何でも知りたがる』子ども達はみるみる絵本に興味を持ち、自分からもすすんで絵本との共通点を探します。 そこには、子ども達の知らない世界がたくさん存在するのです。
絵本は幼い子どもに楽しみを与え、さまざまな経験をさせてくれます。 絵本を子どもに読んであげると、子どもは目で絵を追うだけでなく、時には声を出して問いかけに 答えたり、手で絵をなでて何かを感じようとしたり、においをかいだりすることもあります。
この時、子どもは本の中にすっかり入り込んで、不思議で楽しく、美しい世界で遊び、かわいい動物と友だちになって自由に話をし、おいしいものをたくさん食べたりしながら、心の中でさまざまな経験をしています。
まだ、現実の体験が少ない幼児期の子どもにとって、自分のまわりすべてが未知の世界。 なので、ページを開くたびにどんどん別の世界に連れて行ってくれる絵本は、とっても不思議で魅力的なものなのです。きっとママにも絵本の思い出はたくさんありますよね。
絵本を読んでもらうことで、子どもは自分の世界を少しずつ広げて、成長していきます。 それだけでなく、絵本は幼い子どものやわらかい心の深みに、小さな種をまきます。その種は、やがてその子が成長する時々に、さまざまな花や実を生み出します。
幼い日に読んだ絵本の中の世界が、その人のものの感じ方、考え方の土台をつくり、将来歩む道に影響を与えることさえあるのです。
もっと身近なことでいえば、絵本は、受身一方のテレビやラジオでは得られない、情景をいきいきと思い描く力である想像力を育てます。そしてときには、勇気や希望を与え、その子を内面から支えてくれることもあります。
また、絵本は子どものことばを豊かなものにします。まだ幼い子どもは、まわりの人に話しかけられたことばを、スポンジのように吸収します。なかでも子どもと接する時間のいちばん長いママは、その影響力の中心になるでしょう。
けれども日常の生活の中で子どもが出会えることばには、数や種類に限りがあります。その点、絵本には美しく豊かなことばがあふれています。絵本の中でくり返し語られることばは、その子の心の中にしっかりとたくわえられ、心の深くに積もっていくのです。
子どもは、絵本の世界から、楽しみだけでなく、目に見えない大切なものを得て大きくなっていきます。そういう意味で絵本は子どもの心の成長に、なくてはならないものなのです。
保育者の方が教えられないようなことも、絵本は子どもにたくさんのことを教えてくれるといいます。 想像の世界で遊ぶ楽しさ、知ることの楽しさを体験することができる絵本を、毎日の生活に取り入れてください。ぜひ、0歳から絵本をたくさん読んであげてくださいね。