『BLW』を知っていますか?イギリス発の離乳法で、赤ちゃん主導で行うのが特徴です。最近、日本でも話題となっており、気になっている方も多いのではないでしょうか。
BLWとはどんなものなのか、どのように進めたら良いのか、基本的な知識や具体的な方法をまとめました。
B … Baby (赤ちゃん)
L … Led (主導の)
W … Weaning (離乳法)
これらの頭文字をとって、赤ちゃん主導の離乳法のことを『BLW』といいます。
「赤ちゃん主導」とは、食べる量、ペース、順番などを赤ちゃん自身が決める、ということです。
イギリスが発祥で、現在20か国以上に広まっており、日本でも注目されています。
【特徴1】 離乳食のタイミングを赤ちゃん自身で決める
BLWは、赤ちゃんが自分の意志で食べたいと思うときから始めます。
家族の食べているものに手を伸ばすなど、食べ物に興味を持ったときが始めるタイミング。
親が離乳食開始の時期を決めていた従来のやり方とは異なります。
無理に食べさせようとしたり、食べるよう促したりせず、赤ちゃんの意志を尊重するのがBLWの特徴です。
赤ちゃん自身が食べ物に興味を持って、自ら食事をする、という過程を大切にしています。
【特徴2】 手づかみで食べる
従来の離乳食は、親がスプーンで食べさせますが、BLWは、赤ちゃんが自ら手づかみで食べます。
何種類か用意した食べ物の中から、赤ちゃんが好きなものを選び、自分のペースで食事をすることが特徴です。
食材の色や形を目で見て認識し、自らの手でつかんで手触りを知り、口に運んで味や香りを楽しむ。
このような経験が、食べる喜びを知るきっかけになると考えられています。
好奇心の赴くまま、つかんだものをぐちゃぐちゃにつぶしたり、口から出したり、食べ物で遊んでも大丈夫。
自分の意志で手指を動かし、食べ物の感覚を知ることで、赤ちゃんの心身の成長に繋がります。
【特徴3】 初めから固形物を食べる
従来の離乳食は、10倍粥や裏ごしした野菜などから始めますが、BLWは、初めから固形物を食べます。
赤ちゃんが手づかみで食べることを大切にしているため、スティック状など手で持ちやすい形のものを与えます。
ピューレ状やスープ状のものだと、何の食材が使われているかわかりにくいですが、固形物なら、食材そのものの形や色を認識することができます。すりつぶしや裏ごしに慣れてしまうと固形物への移行が大変になることもありますが、初めから固形物に触れていればそのような心配もありません。
また、面倒な調理の必要がなく、離乳食の準備が負担にならないのも嬉しいポイントです。
①生後6か月以降から始めるのが目安
消化器官や手先を動かす能力が発達してくるのが6か月頃です。それまでは、母乳やミルクのみで育てることをWHO(世界保健機関)が推奨しています。
②赤ちゃんが一人で座ることができるようになったら
赤ちゃんが自力で手を動かして食べるためには、まっすぐに座ることが必要です。
支えが必要な場合は、クッションなどを使用して体勢を整えましょう。
③赤ちゃんが食事に興味を持つようになったら
親が食べているものに手を伸ばすなど、赤ちゃんが食事に興味を持ち始めたときがBLWの開始時期です。
最初は食べることができなくても構いません。食材を手にしてから、実際に食べ始めるまで、数日から数週間かかることもあります。
始めるのも、進めるのも、赤ちゃんのタイミングとペースを尊重しましょう。
親が食べさせることはせず、赤ちゃんが自分の意志で、手づかみで食べます。親は、食材があることを示すだけです。
赤ちゃんが食べたいものを好きに選べるように、3~5種類くらいの食材を用意して、赤ちゃんの前に並べます。お皿に盛り付けても良いですが、きれいにしたテーブルに直接食材を並べるのがおすすめ。その方が、食材のみに集中しやすいです。
家族の食事の時間に赤ちゃんも一緒に食卓を囲み、可能な限り親も同じものを食べるようにしましょう。赤ちゃんは、家族が食べるのを真似しながら、食べ方を学んでいきます。
<メリット>
<注意点>
子育てをしていると、「こうあるべき」という考えに縛られて苦しくなってしまうこともあるかと思います。
でも、親も子どもも笑顔でいられるのが一番。BLWのような柔軟なやり方を取り入れながら、無理せず親子で楽しく過ごせたら良いですね。